赤外線サーモグラフィとは
赤外線サーモグラフィの定義
赤外線サーモグラフィは、対象物から出ている赤外線放射エネルギーを検出し、見かけの温度に変換して、温度分布を画像表示する装置あるいはその方法のことをいいます。正しくは装置と方法を分けて、装置を赤外線サーモグラフ(Infrared Thermograph),方法を赤外線サーモグラフィ(Infrared Thermography)と呼びますが、最近の文献(日本、海外とも)では分けて表記することはほとんどありません。しかし、前後の文脈から装置を赤外線サーモグラフィ装置、方法を赤外線サーモグラフィ法と表記される場合があります。用語の一般化に合わせ、弊社の装置も赤外線サーモグラフィと呼称しています。
赤外線サーモグラフィの特長
- (1)面の温度分布として捉え、可視化情報として表示できる。
- (2)対象物から離れたところから、非接触で温度測定ができる。
- (3)リアルタイムで温度計測ができる。
赤外線サーモグラフィのメリット
- (1)広い範囲の表面温度の分布を相対的に比較できる。
- (2)動いているものや、危険で近づけないものでも、簡単に温度計測できる。
- (3)微小物体でも温度を乱すことなく温度計測できる。
- (4)食品、薬品、化学製品などでも衛生的に温度計測できる。
- (5)温度変化の激しい物や、短時間の現象でも温度計測ができる。
赤外線サーモグラフィについてよく誤解される点
- (1)赤外線カメラから何か照射しているのでは?
- 何も照射していません: 対象物から放射されている赤外線を受動的に検出するだけです。但し、周囲からの反射の影響を受ける場合があります。
- (2)波長で温度分布を測定するのでは?
- 波長ではなく、赤外線エネルギー量により温度分布を測定します。
- (3)物体の表面から透過して見ることができるのでは?
- 物体の表面から放射されている赤外線を検出するため 裏側を透過して見ることはできません。 但し、熱伝導の違いで表面に温度分布ができる場合は、 裏側を推定することができます。
赤外線とは
- (1)赤外線の発見
- 1800年にイギリスの天文学者ハーシェルによって発見されました。ハーシェルは太陽光をプリズムで分光している時に、偶然に赤色光の外側に物体の温度を高くする目に見えない光があることに気がつきました。
- (2)電磁波である
- 波長が0.7μm以上
波長が1mm以下=周波数が300GHz以上
透過率の高い波長帯→赤外線サーモグラフィで検知

出典:R.D.Hudson, Jr.『INFRARED SYSTEM ENGINEERING』 (John Wiley & Son, 1969)
赤外線の性質
- (1)可視光より波長が長いため目で見えない。可視光の明るさ、暗さに関係しない。
- (2)絶対0°K以上の全ての物体から自然に放射されている。従って、あらゆる分野に適応できる
- (3)物体を暖める性質がある。従って、熱線と云う場合がある。
- (4)光(電磁波)の一種である。真空中も伝わることができる。
- (5)赤外線エネルギーと物体の温度は相関関係にある。従って、物体の温度を測定することができる。
熱の伝わり方
- (1)放射
- (=赤外線)物体面から直接、赤外線エネルギーとして届く熱の伝わり方
- (2)対流
- 気体や液体中で暖まったものが上昇することで熱が伝わる。
- (3)伝導
- 主に固体中での熱の伝わり方

赤外線の放射、反射、透過
赤外線をよく吸収する物体は赤外線をよく放射する。

赤外線サーモグラフィの測定原理

赤外線サーモグラフィの画像構成
赤外線サーモグラフィの検出素子の配列と画像データ

温度分布表示画像

赤外線サーモグラフィの温度分布の表示画像は、上図に示すような画素数(検出素子数:例えば垂直240×水平320画素)に対応したマトリックスで構成されています。 1画素のデータ量(データ深さ)は12ビットとなっており、12ビットは4096階調分のデータ量を持っているため、例えば1階調を0.1℃に設定すると4096階調×0.1℃で409.6℃分のデータを持つことができることになります。(1階調の温度は、更に細かくも設定可能です。) この画像データを記録しておけば、パソコンで自由に計算処理することができます。温度分布表示画像は、画素ごとに温度に応じて色を付けてカラー画像としたものです。
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